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食堂かたつむり

今月も半ばまで来たんで少し本の話でも。
で、今回取り上げるのが「食堂かたつむり」。このあいだ古本屋で偶然見つけた一冊。


インド人の恋人にいつか夢見た食堂の開店費用から、少し筒買い揃えた台所道具までも持ち去られ、そして「声が透明」になり、コトバさえも喪った倫子。唯一残された糠床を抱えて失意のままに故郷へもどり、そりの合わないオカンのもとで「食堂かたつむり」を開きます。


そうして始まった「食堂かたつむり」。彼女がこれまでに培ってきた料理の知識と祖母から受け継いだ料理の知恵、それにふるさとの自然の食材が織りなす料理。お客は1日1組だけ、メニューはなく、倫子が客の想いに添う料理を心をこめて考える。


その料理が小さな奇跡を起こすと評判になる。娘を連れて出奔してた元妻が家に戻ったり、永年喪に服してた老婦人の喪を明けさすとか、カップルの仲を取り持つとか・・・


で、そんな中、確執を抱えたままのオカンとの関係に、徐々に変化が訪れ・・・まあ、これ以上はネタバレもあるんで省略。

食堂かたつむりで、どうやったかと。
よかったですよ、47歳のオトーサンが読んでも。
この本、20代の女性を中心に支持されてるとか。でも、われわれ世代の方の感想はあんまり芳しくないよう。まあ、ストーリーがギクシャクしたり、展開の必然性に???がついたりと、物語の紡ぎ方が滑らかでないんで、そのあたりキビシーオジサンにはウケがよくないのかな。


ただ、厨房男が思うに、その洗練しきっていないテイストは、そのまま料理のイメージを物語るのに役立ってるんやないかなと。


彼女はフレンチからエスニックに至るまでさまざまな手法や技法を習得してるんやけれども、ベースはあくまでもおばあちゃんから引き継いだ和の家庭料理であって、それはあくまでもプロフェッショナルなソフィースケートじゃなくて、それでいてプリミティブな強さがあるというようなイメージ。そんなイメージが文章にもある。
そして、そのあたりのバランスに小生はスゴイ魅力を感じるわけです。きっとそんな料理を目指したいと切望してるからなんでしょうかね。それにこの本を支持してる20代の女性の方々が欲してるテイストってこんな方向性なんかも知れません。


それと、オカンのペット、豚のエルメスが重要なプロットになってるんやけれども、そのエルメスの運命にキビシーオジサン方の???が幾つもついたようなんですが、これってエルメスをオカンの象徴と捉えればええんやないかなぁ、糠床が祖母から受け継いだものの象徴であるようにね。まあ、でもたしかにここらへんは編集のクサさが感じられますがね。


さて、この本、来年2月に柴咲コウさん主演で映画化されるとか。でも、柴咲コウさんもいいけれど、厨房男の中では倫子役は断然宮崎あおいさんなんやけどなぁ。(「厨房男」2009.10.15 Thursday)

 

 

 

 

 

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厨房男

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