おうちのなかに普通にある杉江能楽堂

現存する民間の能楽堂として大阪府最古・・・大正6年、岸和田藩最後の藩主岡部長織公が設立し、昭和42年に改築された「杉江能楽堂」が、岸和田市役所のすぐ隣に「普通に」あります。この、「普通に」というところがミソでして、杉江能楽堂は、お住まいになられている"おうちの一部"なのです。すごいでしょ。お庭のなかに能楽堂があるわけですが、床の間で謡曲などを拝謁させていただいている、すぐ後ろは台所だったりするのです。
能楽堂はもちろん、おうちの中で使われている床柱、天井などは大変美しく、とても優れた保存状態にあることが実感できます。お掃除といいますか、このコンディションを日常的に維持するメンテナンスには、相当のご苦労があるものと推測できます。中庭から能楽堂の屋根にかけては、雨風に備えるべく太陽光をさえぎらない、新しい屋根が取り付けられていました。
杉江能楽堂は年に一度、10月の謡曲会のために一般に公開されます。写真はこの秋の謡曲会で撮影したものです。ほかでも例外的に「岸和田市民カレッジ」などにおいても文化資源として公開、解説されています。保全し、未来へ残すことを優先するうえで(しかもプライベート空間ですので・・・)なかなか拝見できるチャンスは少ないのですが、その機会を逃してはなりません。
泉州唯一の能楽堂でもある杉江能楽堂。それが、あまりにも普通に保全されている懐の広さといいますか・・・ちょっと、他にはありませんね。








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